肥料についてのアレコレ

菜園

すぐ忘れちゃうから、愛知のお師匠さんから届いたメールと電話で聞いたことをメモ。

肥料袋に書かれてる数字

化学肥料なんかをみると、8-8-8とか(10-10-10など)って書かれているけど、アレは順番に、窒素、リン酸、カリのパーセンテージを表しているんだ。窒素(N)は葉や茎の成長。リン酸(P)は花や果実の成長。カリウム(K)は根や茎の成長に必要なんだ。

窒素(N)

窒素は植物の成長において最も重要な要素のひとつであり、主に葉や茎の成長を促進する。
植物は窒素を使ってたんぱく質やクロロフィルを生成する、クロロフィルは光合成に必要な色素で、これにより植物はエネルギーを作り出すことができる。

窒素は多くの野菜に必要だけれども、豆類など窒素固定菌を含む植物では、窒素肥料の施用量を減らす。

窒素不足

窒素が不足すると、植物の成長が遅くなり、葉が黄変することがある。

窒素過多

窒素が過多になると、生じる問題

  • 過剰な成長: 葉や茎は大きく育ちますが、花や果実の形成が遅れることがあります。
  • 病害虫の増加: 窒素過多の場合、柔らかい葉が病害虫の攻撃を受けやすくなります。
  • 土壌汚染: 余分な窒素は硝酸塩として土壌や地下水に流れ込み、環境問題を引き起こす可能性がある。

リン(P)

リンは主に植物の根の発達や、花や果実の形成に重要な役割を果たす。リンはエネルギー代謝に関わり、ATP(アデノシン三リン酸)として植物のエネルギーを運ぶ。また、植物がストレスに耐える能力を高める効果もある。

リン不足

  • 根の成長不良: 植物の根が弱くなり、土壌から水や養分を十分に吸収できなくなる。
  • 茎の弱体化: 茎が細くなり、倒れやすくなる。
  • 果実の形成不良: 花や果実がうまく育たない。

リン酸過多

  • 養分のバランス不良: 他の養分(特に亜鉛や鉄)の吸収が阻害される。
  • 環境汚染: 過剰なリンは水域に流れ込み、藻類の繁殖を促し、生態系を破壊する「富栄養化」を引き起こす。

カリウム(K)

カリウムは植物の代謝や水分調整を助ける役割を果たす。特に細胞壁の強化、病害虫への耐性向上、果実の品質向上に寄与し、光合成や酵素の活動にも関わり、植物の総合的な健康を保つために重要。

カリウムは特に根菜類や果菜類で重要ですが、バランス良く施用すること。

カリウム不足

  • 葉の縁が焦げる: 葉の縁が茶色に変色する「縁焼け」が見られる。
  • 病害虫への弱さ: カリウム不足の植物は病害虫に対する耐性が低。
  • 果実の品質低下: 色や形、甘みなどの品質が悪化。

カリウム過多

  • 栄養の競合: カルシウムやマグネシウムなど他の養分の吸収が阻害される。
  • 土壌バランスの悪化: 土壌のイオンバランスが崩れる可能性がある。

化学肥料(無機肥料)

化学肥料は、工業的に合成される肥料で、特定の栄養素(窒素、リン、カリウムなど)が濃縮されていて、通常、速効性があり、土壌に施した後すぐに植物に吸収されやすい形態で供給される。

メリット

  1. 即効性: 植物に必要な栄養素を素早く供給できるため、成長が遅れている植物を迅速にサポート。
  2. 成分の正確性: 含まれる栄養素の量や比率が正確で、特定の植物や成長段階に適した配合が可能。
  3. 取り扱いやすい: 粉末状、粒状、液体などの形状があり、保存や施用が簡単。

デメリット

  1. 土壌の劣化: 長期間使用すると土壌の微生物活動が減少し、地力が低下する可能性がある。
  2. 環境汚染: 過剰使用すると、余剰な栄養素が地下水や河川に流出し、富栄養化を引き起こす可能性がある。
  3. 持続可能性の問題: 石油や天然ガスなどの化石資源を原料とする場合がある。

有機肥料

有機肥料は、動植物由来の天然成分(堆肥、鶏糞、骨粉など)を使用した肥料。緩効性で、微生物が有機物を分解してから植物に利用可能な形に変化。

有機肥料は肥料としての役割だけでなく、土壌構造を改善する効果がある。有機物は土壌に団粒構造を形成し、保水力や通気性を向上させることができる。ただしこの効果が現れるには時間がかかる。

メリット

  1. 土壌の改良: 有機物が土壌の団粒構造を改善し、保水力や通気性を向上。
  2. 地力の維持: 土壌中の微生物の活動が活発になり、土壌が健康で持続可能な状態になる。
  3. 環境への優しさ: 化学肥料と比べて環境負荷が少なく、循環型農業に適している。

デメリット

  1. 即効性が低い: 肥効が現れるまでに時間がかかるため、短期間での効果を期待しづらい。
  2. 成分が不均一: 含まれる栄養素の割合が一定ではなく、正確な施肥管理が難しい場合がある。
  3. 取扱いが煩雑: 堆肥などは大量に必要で、保存や臭気の問題が生じることもある。

化学肥料と有機肥料の併用

近年では、化学肥料と有機肥料を組み合わせて使用する「バランス施肥」が推奨されているらしく、化学肥料の速効性と有機肥料の土壌改良効果を組み合わせることで、植物の成長と土壌の健康を同時に維持することができるので、有機肥料じゃないと駄目!ってことでもなく、両者にはそれぞれ利点と欠点があるため、良いとこ取りして、作る野菜に過不足無く栄養をあげることが必要なんだってさ。

窒素を多く含む有機肥料

  1. 油かす
    ナタネや大豆から油を搾った後の残りかすで、窒素が豊富。
    リンやカリウムの含有量は少なめで、窒素肥料として特化。
  2. 魚かす(魚粉)
    魚を加工して作られる肥料で、窒素含有量が高い
    リンも含まれているが、カリウムはほとんど含まれていない。
  3. フェザーミール
    鶏の羽を加工して作られる肥料で、窒素含有率が非常に高い(10%以上の場合もある)。
    リンやカリウムはほとんど含まれていない。

リンを多く含む有機肥料

  1. 骨粉
    牛や豚、鶏などの骨を粉砕して作られる肥料で、リン酸含有量が非常に高い
    特に花や果実の形成を促進するために使用。
  2. バットグアノ
    コウモリの糞が長い年月をかけて堆積・発酵したもの。
    リン酸が豊富で、果実や花の栽培に適している。
  3. 鶏糞
    鶏の糞を発酵させた肥料で、リン酸を多く含むほか、窒素やカリウムもバランスよく含まれている。
  4. 米ぬか
    リン酸を含むほか、カリウムや微量栄養素も含まれている。

これらの肥料は、リン酸を供給するだけでなく、土壌改良や微生物の活性化にも役立つ。

カリを多く含む有機肥料

  1. 草木灰
    焼かれた草木から作られる灰で、カリウムが非常に豊富。
    速効性があり、ジャガイモやトマトなどの栽培に適している。
  2. 米ぬか
    カリウムを含むほか、リン酸や微量栄養素も含まれている。
  3. バナナの皮
    家庭菜園で液体肥料として利用されることがあり、カリウムが豊富。
    バナナの皮を水に漬けて液肥を作る方法が一般的。
  4. 鶏糞
    カリウムを含むほか、窒素やリン酸もバランスよく含まれている。
    有機肥料の中では速効性があり、幅広い作物に使用可能。

お師匠さんから言われたこと

肥料は適当にあげれば良いわけじゃなく、不足してる肥料を分けてあげたほうが良いから、葉っぱの色が悪くなったら窒素、実が大きくなる頃にはリン、トマトなんかの尻腐れにはカリ、みたいに、とにかく野菜の様子をみて、必要な肥料を足した方が良いよ。8-8-8とかオールインワンの肥料は、作付けをする前に使って、追肥は、有機肥料って使い分けしたほうが良いよ。

この記事を書いたヒト

愛知→宮城のゲマニア
コーヒー牛乳と無人販売巡りが大好き♪
気が付いたらもう半世紀生きたので、これからは好きなモノに囲まれて丁寧にゆっくり暮らしたい。と願って2年。なかなかゆっくり暮らせない...
2025年1月から留守家庭の妻やってます

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