今日03/23は父の誕生日だった。
あの世にいる父への誕生日プレゼントは、父の大好きだったナポリタンスパゲッティにした。
2018年に亡くなった父が若かった頃。
鳶職人だった父が高度成長期を支えた一員だった頃。
父の大好物はコロッケとコカ・コーラとナポリタンだったそうだ。
父が認知症を患う10年前に、年に数ヶ月遊びに来ていた時、私の知らない父の過去をいくつも共有したけれど、コロッケとコカ・コーラとナポリタンの話も、共有した過去の話のひとつ。
父が何を好んでいたか?なんて、若い頃には考えもしなかったことだった。父の背中に老いを感じ始めたあの頃が、一番に近くに父を感じていたかもしれない。
ナポリタンが好きだと聞いた日に、早速作ってみたら、少し悲しそうな顔をして
「パーラーで食べたナポリタンは、甘かったんだよ。」と呟いていた。
父の食べたいナポリタンになるように、何度も何度も(毎日じゃないよ)試行錯誤を繰り返し、砂糖を入れて調理した日のこと。無言で食べ終えた父が「…あぁ、余は満足じゃ~」と言った顔を、今でも鮮明に思い出す。
ナポリタンのルーツ
ナポリタンの誕生は、第二次世界大戦後の横浜にあるホテルニューグランドに遡るらしい。当時、同ホテルの料理長であった入江茂忠氏が、米軍基地で提供されていたケチャップ味のパスタをヒントにして考案したとされている。
戦後の食材不足の中で、手に入りやすい材料で作ることができるこの料理は、日本人の味覚に合うようにアレンジされ、大衆に広まり、その後、ナポリタンは家庭料理としても定着し、多くのレストランや喫茶店の定番メニューとなった。
このユニークな料理は、イタリアのナポリとは直接の関係がなく、日本で創作された独自の料理で、名前の由来は、イタリアン料理の雰囲気を取り入れたことから「ナポリ」を拝借したと言われている。
昔ながらのナポリタンの材料(2人分)
- スパゲッティ: 200g
- ケチャップ: 大さじ5
- 玉ねぎ: 1/2個(薄切り)
- ピーマン: 1個(細切り)
- ウィンナーまたはソーセージ: 4本(斜め切り)
- マッシュルーム(お好みで): 数個(薄切り)
- バター: 10g
- 砂糖: 小さじ1(甘さを調整したい場合は増減)
- 塩・コショウ: 適量
- 牛乳または生クリーム(お好みで): 大さじ1(コクをプラス)
昔ながらのナポリタン 作り方
- スパゲッティを茹でる:
- たっぷりのお湯に塩を加え、パッケージの指示に従ってスパゲッティを茹でる。
- 茹で上がったスパゲッティはざるにあげ、水気を切りながら軽く油をまぶす(くっつくのを防ぐため)。
- 具材を炒める:
- フライパンにバターまたはオリーブオイルを熱し、薄切りにしたタマネギを炒める。
- タマネギが半透明になったら、ピーマン、ウィンナー、マッシュルームを加えて炒める。
- ケチャップソースを作る:
- 具材がしんなりしたら、フライパンにケチャップをたっぷり加える。
- ケチャップの酸味を和らげるために、弱火で2~3分炒めて調味料をなじませる。
- スパゲッティを加える:
- 茹でたスパゲッティをフライパンに投入し、具材とソースを絡めるように混ぜる。
- 塩とコショウで味を調整。
- 仕上げ:
- 全体がよく混ざったらお皿に盛り付けたらできあがり。
- 粉チーズやパセリを振りかけると、見た目と味がさらにアップ
